税理士業界の裏のウラ

タックス君

2009年08月25日 20:57

従来広告・宣伝を禁止されていた会計事務所業界では、顧問先企業の移動はそんな頻繁なものではありませんでした。


ところが、広告・宣伝が可能になり、一部の会計事務所がホームページで情報発信をし始めると、

「知り合いに紹介された」「たまたま近所の先生に頼んだ」といった比較的帰属意識の低い層から、

“依頼する税理士の変更”

という現象が起こり始めました。



では、税理士変更はどういった理由で起こるのでしょうか。




大きく3つの理由があります。



 
一番目は、価格の問題です。




創業したての企業はできるだけ安く押さえたい。
伸び盛りの企業は、税務決算以外にも付加価値サービスを期待したい。


そういった顧問先企業ニーズと税理士が提供するサービスと価格に、ギャップが生じる場合です。



最近多いのが、「今のサービスのままであれば、もっと安い税理士に変えたい」というケースです。
つまり、付加価値の低いサービスしか提供できないと、価格競争に巻き込まれ、生き残ることが難しい時代になってきているのです。




二番目は、サービス力の問題です。


最近あったケースでは、

「業務上の問題に対応してくれない」
「同業他社の情報が少ない」
「税務決算だけで、経営の相談相手にはならない」

というものがあります。



当然お互いに言い分はあり、価格との相関関係があるのも事実ですが、顧客サイドに立った視点がまだまだ希薄な業界であるのも事実であり、今成長している会計事務所は、こういった声をキャッチして大きくなってきています。



三番目は、所長の人柄です。



人間誰しも相性があるとはいえ、「何でも相談に乗ってくれる」「レスポンスが早い」先生は、高い評価を得ています。話しやすく、相談しやすい、そして細かくサポートしてくれる税理士こそが、人気の税理士像ではないでしょうか。



サブプライム問題に端を発した金融恐慌の影響が実体経済にも影響を及ぼしつつある今、資金繰りなどは中小企業の切迫した経営テーマです。それらを一緒になって解決してくれるかどうか。




税理士は、選び方によっては単純な“コスト”にもなり、時には貴重な“命綱”にもなる。




それは、経営者の眼力にかかっているのです。



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